■ボランティア活動について

<ボランティア活動を始めたいあなたへ>

 ボランティア活動は、子どもも、学生も、社会人も、シニア世代も、誰でも、自分の興味や関心によって、また時間の余裕や生活スタイルにあわせて参加できる活動です。そして、ボランティア活動には、こうした気軽さとあわせて、自分の考えではじめたこととしての責任が大切でもあります。また、ほかの人々の考えを尊重しつつ、お互いの違いを認め合うことも必要です。 「ボランティア」とは、「意志」、「善意」の意味をもつラテン語の ≪VOLUNTAS≫ が語源だといわれることから、「自分自身の、自由な意志によって、援助のためにすすんで行動する人」といえます。そして、一人ひとりの自由と信念が尊重され、誰もが安心してくらせる平和な社会を創ることに、自分の考えで、金銭を目的とせずにかかわっていくことが“ボランティア活動”なのです。
 ボランティア活動には、学校や職場では得られない「出会い」と「気づき」、そして「学び」があります。ボランティア活動を通して、自分の街で、そして、社会で起きていることに気づき、出会った人々の生き方から考えさせられ、自分の生活を見つめなおす機会になるでしょう。そして、その中で、年齢、職業、国籍を超えたさまざまな人々のつながりが生まれることでしょう。
 ボランティア活動を始める時も、場所も、そしてきっかけもさまざまです。自分らしさを大切にしながら、あなたも、ボランティア活動の第一歩を踏み出してみませんか。

<ボランティア活動4つの原則>

 ボランティア活動をすすめる上で大切にしてほしいポイントを「ボランティア活動の4つの原則」としてまとめました。

(1) 自分からすすんで行動する──「自主性・主体性」
 ボランティア活動は、自分自身の考えによって始める活動であり、だれかに強制されたり、義務として行うものではありません。友人から誘われたり、あるいは、たとえば学校や会社の行事として参加したり、テレビや新聞で見かけたり……。どんな小さなきっかけでも、自分自身の「やってみよう」という気持ちから、ボランティア活動がはじまります。

(2) ともに支え合い、学び合う──「社会性・連帯性」
 わたしたちの社会には、自然保護、福祉、人権、貧困などのさまざまな課題が存在します。こうした課題を発見し、改善していくためには、一人ひとりが考えることと、多くの人々と協力しながら行動することが大切です。ボランティア活動では、ともに支え合い、学び合いながら、一人ひとりが力を合わせて活動することが必要です。

(3) 見返りを求めない──「無償性・無給性」
 ボランティア活動を通して、さまざまな人々と何かを成し遂げたり、つくりあげた時、お金では得られない出会いや発見、感動、そしてよろこびがあることでしょう。ボランティア活動では、報酬や金銭的な見返りを目的にするのではなく、精神的な報酬を得るための活動なのです。
 ただし、交通費や食費、材料費などの実費弁償については無償の範囲としています。

(4) よりよい社会をつくる──「創造性・開拓性・先駆性」
 目の前の課題に対して、何が必要なのか、そして、改善のためにはどうすればよいか。ボランティア活動では、従来の考え方にとらわれることなく、自由な発想やアイデアを大切にしながら、方法やしくみを考え、創り出していくことが大切です。

<ボランティアって何? NPOって何?>

 ここ数年、「ボランティア」 「NGO」 「NPO」 「市民活動」 などの言葉をテレビや新聞などでよく見かけるようになってきました。ここでは、ボランティアに関するさまざまな用語について解説しています。

・ボランティア活動とは?
 ボランティア活動とは、自発的に(自発性・主体性の原則)、他者や社会のために(社会性・連帯性の原則)、 金銭的な利益を第一に求めない(無給性・無償性の原則)活動のことです。 また、誰もが暮しやすい豊かな社会をめざして、さまざまな人や団体とつながり、ネットワークをつくりながら、 社会の課題の解決に取り組む活動です(創造性・先駆性・開拓性の原則)。
 ボランティア活動の形態として、個人で行う活動のほか、グループ・組織を立ち上げたり、メンバーとして所属しながら活動する場合もあります。 そして、福祉、教育、文化、芸術、スポーツ、環境、国際協力、まちづくり、人権など、幅広い分野でボランティアが活躍しています。

・市民活動とは?
 「市民活動」は、よりよい社会づくりのための市民やボランティアが中心となって活動を立ち上げた、自発的・主体的な非営利の活動といえます。市民活動をすすめる際、多くの場合、団体の活動の維持を目的として有給の事務局職員を置きながら、サービスを有償で提供しています。こうして得た収入は、営利企業が利潤を追求し、その利益を出資者に配分するのではなく、市民活動団体がその理念(ミッション)に基づきながら、目標を達成するために行う活動の財源として充てられています。こうした市民活動を行っている団体には、家事援助サービスや国際協力活動を行うNGOなどさまざまな活動があります。一方、サービスは無償で提供し、活動を維持するための財源として寄付金を集める市民活動団体もあります。

・NPOとは?
 「NPO」は Non-Profit Organization あるいは、Not-For-Profit Organization (非営利組織) の略で、企業 (Profit Organization) と対比される用語です。 営利を目的とせず、社会的な使命(ミッション)を持った民間の組織のことで、「民間非営利団体」と呼ばれる場合もあります。広義のNPOの中には、社会福祉法人、学校法人、医療法人などの公益法人を含みますが、狭義のNPOは、市民たちの自発性に基づくボランティアグループや市民活動団体といった組織をさすことが一般的です。また、こうした市民活動団体の中には特定非営利活動促進法(NPO法)に基づく法人格を持つ組織(特定非営利活動法人、通称ではNPO法人)もあれば、法人格を持たない組織もあります。

・NPO法とは?
 1998年3月に制定され、同年12月に施行された特定非営利活動促進法のことを、通称でNPO法と呼んでいます。 この法律によって、民間非営利組織が法人格を取得し「組織」として社会的な契約を結びやすくなりました。 また、2001年10月より、特別に認定されたNPO法人(認定NPO法人)に寄附した者は税金の控除が受けられるといった税制上の優遇措置が受けられるようになりました。 しかしながら、認定NPO法人になるための要件は非常に厳しく、条件緩和が求められています。

・NGOとは?
 NGOとは、Non-Governmental Organization (非政府組織)のことです。 もともとは国連憲章の中で使われている言葉で、NPO と同様に営利を目的とせず社会的使命を持つ「民間非営利団体」のことですが、行政からの独立性や異質性をより強調した表現と言えます。
 諸外国においては、NPOと同じ意味で使われることが多く、日本においては特に、国際協力や環境保護を行う市民活動団体のことをさす傾向があります。
・市民セクターとは?
 ボランティアや NPO、NGO といった、市民が中心となって組織して活動をすすめるセクター(分野または部門)を一般的に「市民セクター」と総称します。一方、政府や自治体といった公的部門を「行政セクター」、企業などの経済団体を「企業セクター」と呼び、わたしたちの社会は、これらの3つのセクターから成り立っていると考えることができます。
 今日、社会のさまざまなニーズを満たすためには、「市民」「行政」「企業」 の各セクターがその特性を活かしながら、それぞれの存在を認め合いつつ、協働していくことが求められています。

<ボランティア活動を探してみましょう>

・身近なボランティア活動を探してみよう!
 ボランティア活動は、私たちのくらす地域や社会、また、日常生活のさまざまな課題の解決を目指しながら、私たちの生活をより豊かにする活動です。したがって、一律に決まったスタイルや形態があるわけではなく、取り組む課題、地域性、メンバーなどによって、さまざまな活動が存在しています。
 皆さんの身近なところでも、ボランティアグループや市民活動団体、またボランティアセンターがあるでしょう。こうした団体の活動の様子から、「どんな活動をしているの?」「どんな人たちがボランティアとして活動しているの?」「自分にもできることはあるの?」といった、ボランティア活動のヒントを探してみるのもよいでしょう。

・出かけよう、参加してみよう
・養成講座や研修会に参加してみよう

 ボランティアセンター、ボランティアグループや市民活動団体、また最近では公立施設などでは、ボランティア活動に関するさまざまな講座を開いています。こうした講座には、おもにボランティア活動の初心者を対象に、入門講座や、分野別の講座(点字、手話、朗読、日本語、ガイドヘルプ、家事援助や介護、精神保健、自然保護など)などがあります。

・さまざまな講座やイベントに参加してみよう
 ボランティア活動を広め、また、活動の様子をPRしたり、ボランティアや市民同士の交流を目的としたさまざまなセミナーやイベントが、ボランティアセンターやボランティアグループや市民活動団体などのより、各地で開催されています。

・体験学習やスタディーツアーに参加してみよう
 ボランティア活動のきっかけづくりのための体験学習や、国内や海外におけるさまざまな支援の取り組みをじかに視察し、学習するためのスタディーツアーが開催されています。

・ボランティアセンターに相談してみよう
 ボランティアセンターでは、ボランティア・コーディネーターと呼ばれる専門のスタッフなどによって、ボランティア活動に関する相談に応じています。あなたの希望や関心に応じたボランティア活動や、そうした活動をすすめるグループ・団体さがしのお手伝いや、ボランティア活動を始めるにあたってのさまざまなアドバイスを受けたり、また必要な情報を知ることができます。 また、ボランティアセンターでは、ボランティアに関する講座やイベント、ボランティア体験のプログラムを開催するほか、センターが地域のボランティアのためのフリースペースとして、さまざまなボランティアが集まり、また、ボランティアが発信するさまざまな情報が掲示されています。
 ボランティアセンターは、各区市町村にありますので、積極的にご利用ください。

<どんな活動があるの?ボランティア活動の分野と活動>

 ボランティア活動は、身近な地域や、市区町村や都道府県を超えた広域で、あるいは世界規模で、多様な課題に向かいながら、さまざまな分野で多くの活動が行われています。
 ボランティア活動に参加してみることは、わたしたちの社会を、いつもとは違う視点で見つめなおすことにもつながることでしょう。
 ここでは、こうしたボランティアの活動分野と活動内容について、ほんの一部を紹介します。

・ボランティア活動の分野あれこれ
* 福祉
 高齢者、障害者、子どもたち、さまざまな生活課題を抱える人などへの支援

* 医療・保健
 病院でのボランティア活動、心に病を持つ人への支援、相談援助活動

* 国際協力
 海外協力、日本にいる外国人への支援、難民支援

* 環境
 自然保護、里山保全、リサイクル活動

* 教育関係
 学校教育や、社会教育・生涯学習活動への協力

* 消費生活
 利用する消費者の立場からの意見、モニター活動

* 芸術・文化
 美術館・博物館での活動、地域文化の保全・育成

* スポーツ
 スポーツ活動への支援、障害者スポーツヘの参加・協力

* 災害支援
 防災活動、災善時の救援・支援活動

* まちづくり
 都市計画や公共施設建築などでの市民参加、福祉マップづくり

* 人権
 DV(ドメスティック・バイオレンス)の被害者女性への支援、知的障害をもつ人などの権利擁護

 さらにこまかく見てみると・・・

・食事サービスのボランティア
 ひとりぐらしや夫婦だけの高齢者世帯では、食事の仕度が大きな課題。 そんな人たちを支えるために行われる食事サービスは、ボランティアが中心となって手づくりの温かい食事を提供する活動です。 食事を届ける「配食サービス」や、地域の食事を楽しむ「会食サービス」の活動があります。

・移送サービスのボランティア
 住み慣れた地域で暮らしていくために、高齢者や障害を持つ人たちの通院や買い物などの際に福祉車両によって送迎を行うのが、移送サービスの活動です。 福祉車両には、電動リフトやスロープがついているので、車いすに座ったままで乗車できるよう工夫されています。

・点訳・音訳のボランティア
 新聞や本など活字情報を目で読むことが困難な方のために、点訳(点字による翻訳)や音訳(テープへの録音や対面朗読)などの活動がボランティアによって行われています。 また、点訳や音訳の基礎知識や技術を身につけるための講習会も各地で開催されています。

・要約筆記のボランティア
 難聴者や中途失聴者等、手話を第一言語としない聴覚障害者に話の内容を文字で伝える筆記通訳です。筆記方法には、手書きとパソコンがあります。

・日本語ボランティア
 日本に移住、あるいは滞在している人たちの中には、日本語が話せないために、または生活習慣や価値観の違いから生活に困難を感じている人もいます。 日本語ボランティアは、そうした人たちに日常生活に必要な日本語を教える活動です。また、それぞれの国の文化に触れつつ、お互いの国や社会について理解を深める機会にもなっています。

・社会福祉施設でのボランティア
 社会福祉施設には、さまざまな課題を抱える人々が生活したり、通ったりしています。施設でのボランティア活動は、職員と協力しながら利用者のためにする活動です。 利用者の生活を尊重しながら、身の回りのお手伝いや会話などを通して、施設での生活や人間関係を豊かにします。

・手話通訳ボランティア
 「聞こえない」という状態は、テレビや電話など生活の上で必要となる、耳から得られる情報を遮断してしまいます。 手話を使って情報を伝えたり、お互いの意思を伝え合う手話通訳ボランティアは、「聞こえない」という状態をハンディと感じさせない社会をつくるために大きな役割を果たしています。

・災害時のボランティア活動
 地震や台風などの大きな災害が起きた場合、行政だけの支援活動では限界があることも。 災害時のボランティア活動は、被災地の状況や必要に応じて、住民の安否確認や救援物資の配分などを、即応性や柔軟性を生かして行われる活動です。 また、募金や義援金、救援物資などの提供といった活動で協力することもできます。

・病院とボランティア活動
 病院は、乳幼児から高齢者までさまざまな人々が利用します。 病院でのボランティア活動は、そうした患者さんが安心して治療を受けることができるよう、医師や看護婦などと協力して行われる活動です。 病院内の案内や入院患者の話し相手など、患者さんが安心して気持ちよく治療が受けられるよう、病院に、安らぎの“風”を運びます。

・国際協力とボランティア活動
 世界には貧困や飢餓、環境破壊など数多くの問題が存在しています。このため、数多くのNGO(非政府組織)が人道的な立場から、教育や保健・医療、環境保全のための活動を行っています。 国内ではこうしたNGOが発展途上国の人たちの工芸品などを販売しており、ショッピングをして支援することも、身近にできる国際協力のひとつです。

・自然・環境保護とボランティア活動
 原生林や野生の動植物保護、あるいは身近にある河川や海などの自然・環境保護のために、リサイクルやごみ拾い、植林などの活動をすすめたり、 自然・環境保護の必要性を社会に知らせる啓発・提言活動がボランティアによって行われています。 地球にやさしいくらし方、生き方を見直しながら、一人ひとりができることから始めることが大切です。

<特技や技術を活かしたボランティア活動>

 企業で積んだ経験や知識、専門的な技術や資格、また、特技や技能を活かそうと、ボランティア活動をはじめている人も多くいます。ボランティア活動が初めてであっても、あるいは、ボランティア・市民活動についての知識や経験がなくても、あなたの「得意なこと・好きなこと」や「仕事・職業」が役立つ機会は、きっとたくさんあるはずです。

・仕事・職業を活かしたボランティア活動

・外国語(話す、書く)
 日本で生活する外国人向けに、日常で必要な日本語を教えたり、国際協力活動をすすめるNGOでの通訳、翻訳を行うボランティア

・自動車の運転経験を活かして
 高齢者や障害者などの外出送迎を福祉車両で手伝うボランティア活動(移送サービス)

・営業関係の仕事経験を活かして
 活動を支えるボランティアや寄付金の募集や、グッズや書籍の販売促進を手伝うボランティア活動

・広報関係の仕事経験を活かして
 広報誌やパンフレット、プレスリリースなどの企画、作成を手伝うボランティア活動

・企画関係の仕事経験を活かして
 団体の活動を発展させるために必要な事業計画や予算の立案、新しい事業の企画づくりの手法などのアドバイスなど

・経理や労務関係の仕事経験を活かして
 会計処理の方法をアドバイスしたり、事務局スタッフやボランティアが、より活動しやすくするための組織づくりのアドバイスなど

・パソコンの技術を活かして
 会計や運営事務の上でパソコンを使う団体がよりよく活用できるように、操作や入力方法についてのアドバイスなどを行うボランティア

・ホームページ製作技術を活かして
 活動を広く紹介するホームページの企画や立ち上げ、またリニューアルを手伝うボランティア活動

・デザイン関係の仕事経験を活かして
 団体の広報誌やパンフレット、ホームページのデザインやレイアウトのアドバイスなど

・財務関係の仕事経験を活かして
 運営上の財務計画や資金調達方法などについて、いっしょに考えたり、アドバイスを行いながら活動を支えるボランティア

・介護福祉士やヘルパー資格を活かして
 高齢者や障害者への介護や家事援助サービスを行うボランティア

・栄養士や調理師の資格を活かして
 寝たきりの高齢者や障害児・者の家庭訪問、無医村地区での医療活動、また、海外での医療活動にたずさわるボランティア

・医師や看護婦の資格を活かして
 高齢者を支える食事サービスの献立を栄養面から考えながら、活動をすすめるボランティア

・専門技術・技能を教える・伝える
 例えば、青年海外協力隊は、「発展途上国の国づくりに貢献する」ことを目的として、隊員の技術・技能を活かして、アジア、アフリカ、中近東、南太平洋などの発展途上国の開発に協力しています。また、国際協力に取り組んでいる多くのNGO(非政府組織)が、アジア、アフリカ、中南米など世界各地に、教育、保健、医療、農村・スラム開発、環境保全などの専門分野の人材を派遣して、草の根レベルの支援をしています。

・得意なこと、好きなことを活かしたボランティア活動
 自分の得意なことや、好きなことを活かして人ボランティア活動をする人もたくさんいます。ボランティア活動を通して出会ったさまざまな人々と、何かを創り上げ、経験を共有することにより、大きな達成感や充実感を感じることができるでしょう。自分の「得意なこと・好きなこと」を思い浮かべながら、ボランティア活動をさがしてみてはどうでしょうか。

・社会福祉施設やフリースクールでのプログラム
 書道、茶道、華道、楽器演奏、囲碁・将棋、編み物、陶芸、俳句、園芸、歌、合唱指導、ダンス、朗読、

・障害を持つ人のスポーツイベント
 スポーツ指導、写真・ビデオ撮影

・地域のボランティアグループやボランティアセンター主催のイベント
 写真・ビデオ撮影

<時間がなくてもできるボランティア活動>

 「ボランティア活動には興味があるけれど、時間がなくて……。」という方も少なくないことと思います。 しかし、せっかく興味をもったボランティア活動に気持ちを遠ざけてしまうことなく、だれでも、できることからボランティア活動にかかわる方法は、直接活動に参加する以外でもたくさんあるのです。
 ここでは、時間がなくてもボランティア活動にかかわったり、ボランティア活動を支える方法の一部をご紹介します。

・寄付
 たとえば電化製品や日常品で、余っているもの、使わないでそのままにしているものを寄付することがよろこばれます。 地域住民が中心となって運営するミニデイサービス、フリースクール、さまざまな課題を持つ人を受け止めたり、保護をするスペース、社会福祉施設では、こうした電化製品や日常品を必要としている場合があります。
 物品を寄付するときには、まず使えるか、汚れていないかを確認のうえ、寄付先が決まっていれば、先方に必ず連絡した後に送りましょう。その際の送料負担についても寄付先と話し合って決めてください。
 また、寄付先をさがしている場合、最寄りのボランティアセンターなどに相談してみましょう。

・使用済みの切手やプリペイドカードなどを集めて送る
 使用済みの切手やプリペイドカードは、収集家などによって買い取られることによって収入となり、これがボランティア活動を支える資金の一部となります。家族や職場、学校など周りの人々にも呼びかけて集めるのも有効な方法です。

・使用済み切手
 換金され、施設づくりや海外の医療援助の資金に充てられます。

・使用済みのテレホンカード、JRや私鉄のプリペイドカード
 換金され、グループや団体の活動資金に充てられます。

・ベルマーク
 「ベルマーク」は、収集点数に応じて教育機器の購入や発展途上国の学校建設資金になります。

・ロータスクーポン
 「ロータスクーポン」は発展途上国の援助や地域のボランティア活動基金になります。

・外国コイン
 ユニセフを通じて発展途上国の援助に充てられます。

・書き損じはがき
 郵便局で手数料(はがきや切手の購入費よりも安い手数料)を払い、新しいはがきや切手に取り替えて使用します。
 これらを集めてボランティアグループや市民活動団体に送る時には、あらかじめ集め方や整理の仕方、送る方法などを確認しておきましょう。

・お金を集めて寄付をする
 ほとんどのボランティアグループや市民活動団体は、財政的に厳しい状況に置かれながらもその理念や目標に基づいて活動をしています。活動を支える財源として、会費や、寄付・募金などに大きく頼っている現状であり、現在の活動を維持させることが精一杯であったり、また、新たな活動の企画を立ち上げようにも財源がない、ということもしばしば聞かれます。このため、こうしたグループ・団体へ、集めたお金を寄付することもよろこばれます。

〔寄付や募金の方法〕
 グループ・団体に直接する寄付や募金
 グループ・団体に直接寄付や募金をする
 活動の維持や、新しいプロジェクト立ち上げのために寄付や募金をグループ・団体が直接に呼びかける場合

 インターネット上の募金サイトで募金する
 サイトの開設者を通してグループ・団体に寄付・募金が渡される間接的な寄付や募金
 郵便貯金や預金の利子・利息の一部を寄付する
 取りまとめ先によって配分するグループや団体およびその分野が決められるのが一般的

 クレジットカードの利用額の一部を寄付する
 取りまとめ先によって配分するグループや団体およびその分野が決められるのが一般的

 寄付や募金をする時には、そのボランティアグループや市民活動団体がどのような活動に、どれくらいのお金を必要としているのかを知りながら、それらの内容に共感し、そして趣旨に賛同することが大切です。

・グループ・団体の会員になる
 ボランティアグループや市民活動団体にとって、活動に共感し、理解してくれる人が一人でも多くいることは、何よりも活動への励みになります。また、こうした人々が会員として会費を支払うことにより、グループや団体にとって、活動を維持したり、新たな活動の企画を立ち上げる際にも重要な財源になります。

<マナーや心がけ>

 ボランティアが来ると「活動に活気が出る」「新しいアイデアをもらえる」「たくさんの人に社会の課題を知ってもらうきっかけになる」など、受け入れるボランティアグループやNPOにとっても、サービスの利用者や支援の対象者となる方にとっても、得るものが数多くあります。
 一方で、受け入れ団体の方から「ボランティアのこんな行動に戸惑った」という声が聞かれる場合があります。このページでは、ボランティアを受け入れている現場の声をまとめながら、ボランティア活動を行う上で気をつけたいことを紹介します。

・現場の声を聴いてみよう!

・あいさつが基本!
 「あたりまえのことですが、あいさつはきちんとしてほしいですね。」

 気持ちの良いあいさつは基本中の基本。受け入れ団体のスタッフに対してだけでなく、利用者の方や、ほかのボランティアたちにもきちんとあいさつ・自己紹介ができると、お互いの距離が縮まり、信頼感もアップします。

・友だちと遊びに来たの?
 「友だち同士でボランティアに参加してくれるのはいいことなんですが、遊びではないのでわきまえてほしいですね。ほかのボランティアさんや利用者さんと話をしないで、友だち同士でおしゃべりばかりしていた人がいました。」
 友だち同士で集まっておしゃべりしているのは格好悪いし、相手に失礼。知らない人ばかりで恥ずかしかったり、話しかけにくかったりするかもしれないけれど、新しい人や社会と出会える貴重な機会ですから、ボランティア先の人たちとの交流を大切にしましょう。

・やると決めたこと、約束したことは守ろう
 「何の連絡もなしに遅刻したり、休んだりされるのは困りますね。受け入れるほうは、スタッフの数を調整したり、ボランティアさんにやってもらう仕事を準備したりしていますから・・・。事前に電話を一本くれるだけでもだいぶ違うんですけどね。」
 時間のほかにも、持ち物や服装、活動のルールなど、いろいろな約束事があります。ボランティアされる側の気持ちや安全を配慮して決められた大切な約束事ですから、しっかり守りましょう。どうしても休んだり、遅れたりするときには、事前に電話を入れておきましょう。

・分からないことは遠慮しないで聞こう
 「分からなくても質問してくれないボランティアさんには、どう対応していいのか困ってしまいます。」分からないのは当たりまえ。分からないことや困ったことがあったら、遠慮しないでスタッフや利用者の方に聞きましょう。

・気付いたことは提案しよう
 「言われないと動いてくれないボランティアさんにも戸惑います。逆に気付いたことをどんどん言ってもらえるのはうれしいですね。」ボランティアは自分が気付いたこと、できることを、自分からやっていく、自主的な活動です。「こうしたらもっといいな」と思ったことは、どんどん実行してみましょう。

・自分も、相手も、気持ちよく。
 あなたのボランティア活動が良い経験となるために、そして、次のボランティア活動へのステップにつなげるために、活動の上で気をつけたい4つのポイントをご紹介します。

・無理なく継続できる計画をたてよう!
 会社や学校、また、ほかの予定なども踏まえながら、自分の生活にあったペースで行動しましょう。 無理をしないことが長つづきの秘けつです。

・相手や関係者の立場を尊重しよう!
 自分の思い込みだけで行動するのではなく、まず、相手が何を必要としているのかを知ることが大切です。 そして、活動先の人やほかのボランティアたちとのチームワークを保ち、違いを認め合いつつ共通の目標が何かを常に忘れないことが大切です。

・約束・ルールは必ず守ろう!
 自分の意志ではじめたボランティア活動として、そして、相手がある活動として、責任がともないます。 相手と相談して決めた活動内容や時間、活動で知り得た個人情報をむやみに話すなど、活動先での約束やルールは、必ず守るようにしましょう。

・ボランティア保険に入ることをおすすめします。
 ボランティア活動中や、活動先と自宅の行き帰りで起きた事故などについて保障される保険です。ボランティアセンターまたは社会福祉協議会で加入することができます。